4月15日のエイト (ページ13)

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「ただいま！」
「うっわ！唐揚げやん。美味そう！」

食卓を見るなりいつもみたいに嬉しそうな顔をする亮ちゃん。

「俺の好物作って、慰めようとしてくれたん？」
なんて上目遣いでニヤリとして。

「いただきます！」
って勢いよく唐揚げを頬張り始めた。

何て声をかけたらいいんだろ？
触れて欲しく…ないのかな？

正解が全然分からなくてひとりグルグルと想いを巡らせていると、不意に耳に入るむせたような咳。

「あかん！…一気に口に入れすぎたわ！」
って苦しそうに胸を叩く亮ちゃん。

「…！大丈夫！？」
思わず駆け寄り、食卓のグラスを口元に持って行く。

すると。

グラスを持った右手首をパシッと掴まれた。

たった今まで苦しそうにしていた亮ちゃんは、私の手首を掴んだまま下を向いてて、その表情は全く見えない。

「亮ちゃん…？」
「どうした…の？」

「…………。」
彼からの返事はなく、その代わりにどんどん強くなる握られた手首の痛み。

亮ちゃんの痛みが、少しだけ伝わってきてる気がして。

もっと強く握ってほしいなんて考えてたら、下を向いたまま亮ちゃんが口を開いた。