続・最後の恋（緑） (ページ32)

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32 すばるside ページ32

すまんな、こんなん言うて…。
混乱しとるやろ？

せやけど、俺の正直な気持ち。

大倉のこと一生思い出さんかったらええ。
それか、思い出す前に俺に惚れてくれたらええ。

そしたら絶対に離さへん。
記憶取り戻しても、心はアイツに戻さへん。

俺はお前を泣かせたりせえへん。

「…大倉は大事なメンバーやけど。」
「Aも大事やねん。…ホンマに。」

俺にはお前だけや。

「ずっと…忘れたこと無かった。」

そう。やっとまた会えた。

「A…。」

名前呼ぶだけで泣きそうなくらい愛しい。

「大倉なんてやめて俺にしとけや。」

俺が欲しいんはお前だけ。
他の女なんて一生いらんわ。

「すばる…。泣かないで。」

俺…泣いとるんか？
ああ…どうりでAの顔がボヤけとるわ。

お前はどんな顔しとるん？

席を立ち、俺の隣に来てハンカチで濡れた頬を拭いてくれるA。

思わず俺の腕の中に閉じ込めると、懐かしい香りがした。

好きや…。
ずっと傍におって。

直接、心に届くようにきつくきつく抱きしめ続けると、最初は強張っとったAの身体も、少しずつ力が抜けて遠慮がちに俺の腰に手が添えられた。

ずっと…こうしたかってん。
時間も忘れてAの温もりを感じた。