4 ページ4
Aと付き合い始めて1ヶ月が過ぎた。
今日がオフな俺は渡されたスペアキーでAの帰宅を待つ。
「誰かに見られたら大変だからウロウロしないで家にいて!」
なんて言いながら、照れくさそうにスペアキー渡してくれた時の顔、可愛かったなぁ♡
で…、ちょーっと部屋を物色してまうのは普通やんな?
何でも知りたいんやもん。
本棚にギッシリ詰まっとる雑誌を何となく手にとってみると、俺らが表紙のやつ。
2年前くらいのかな?
まぁ…俺目当てで買ったわけやないのは確かやな。
急に気持ちが沈んでまう。
表紙の中心にはやたら目力があるうちのメインボーカル。
過去の事やし、気にしたらアカンって分かってる。
今は俺の彼女やし。
2人がどんだけ愛し合っとったとしても終わった事やん。
分かってんねんけどな。
あーあ…。
す ばるくんがカッコいいから悪いんや。
俺とタイプ正反対やし。
いつもふざけとる小さいおっさんやのにいざとなったら誰よりもカッコ良くて。
あんなまっすぐな歌声聴かせられたら落ちんわけないやろ。
…不安やねん、めっちゃ。
す ばるくんを想っとった俺の知らんAがあるって事が。
今は俺だけ…やんな。
何とも言えん嫉妬心と独占欲に包まれて、ソファーの上のクッションをA代わりに抱きしめて黒い気持ちをかき消す為にぎゅっと目を閉じた。
472人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葵 | 作成日時:2017年5月26日 5時