続・最後の恋（緑） (ページ30)

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30 あなたside ページ30

お店に到着してすばるを待つ間、スマホを眺める。

大倉さんにはこの事伝えた方がいいのかな？
自分の居ない所で2人で会ってたら嫌かな？

でも、私がこんな状態だから、実際は付き合ってるって言えるような状況でも無いし…。

病院にも居てくれたぐらいだから、大倉さんにとってすばるは別格なのかもしれないし。

うーん…悩むなぁ。

そうこうしてるうちにすばるがやってきて。
結局、大倉さんには何も伝えないままスマホをバッグにしまった。

「悪い、待たせたな。」

「全然いいよ。そんなに待ってないし。」

ちょっとだけはにかむすばるの顔が何だかとても懐かしかった。

あの頃を、お互いに思い出したのかもしれない。

「元気そうで良かったわ。」

「ありがと…。本当にすごい元気だからね(笑)」

「記憶以外は…か？」

「うん、まぁ…。でもすぐに思い出すかもしれないしね。」
「焦ってもしょうがないよね！」

なるべく明るく言ったつもりだけど、何だか重い空気が流れてしまった。

可哀想…みたいに思われてるのかな？

だけど、すばるから出た言葉は予想を遥かに超えたものだった。

「無理に思い出さんくてもええんちゃうの？」