続・最後の恋（緑） (ページ18)

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「階段から落ちて、出血はそこまで多くないんやけど、どうやら頭を打っとるらしい。」

頭…。そんな大事な所…。

「何があったんや？」
なるべく感情を押し殺そうとしとる低い声。

けど、その眼光は鋭くて。
どれだけAを大事に思っとるのかがすぐに伝わってきた。

泣きながら全てを伝え終わった時、すばる君に肩を掴まれて勢い良く壁際に追いやられた。
ホンマは俺のこと殴りたいくらいやろうに…。

すばる君の目からも涙がこぼれ落ちる。

「何で信じてやらんかったんや…アイツはお前しか見えてへんのに…。」
「お前なら…大事にしてくれるって安心しとったのに…。」

「ごめ…っ、ごめん…すばる君…。」

嗚咽が止まらん俺の背中をさすりながら、すばる君が予想外な事を告げる。

「俺も…誤解させるような事してすまんかったな。」
「最後にアイツを抱きしめたんは…俺なりにケジメのつもりやってん。」

「大倉と幸せになれよ、って。」

「今でもじゅうぶん幸せってアイツ笑っとったわ。」

A…A…！

ごめん…ホンマにごめん。

神様、お願いします。
俺の命と引き換えでいいからAを助けて下さい！

俺はどんな罰でも受けますから、どうかAを…！

ベンチでひたすら祈りながら処置が終わるまでの時間を過ごした。