続・最後の恋（緑） (ページ13)

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「すばる君のMV撮影？」

「うん。それで来週の土曜は泊まりになるんだって。」

「はあ？泊まり？なんで？」

「えっと…深夜から明け方に咲く花と一緒に撮りたいから…。」

何なん？その花。
しかも土曜なんて俺ラジオあるから近くに待機とかも出来へんやん。

他のスタッフもおるって分かっとるけどさぁ、すばる君、Aばっか使いすぎちゃうの？

俺の心の黒い部分を感じ取ったのであろうAが不安そうに口を開く。

「ごめんね？…ただよし君がいい気持ちしないのは分かるんだけど、仕事だし断る理由も無くて…。」

「でも、仕事以外の感情は持ってないからね？」

上目遣いでそんなん言われたら許すしかないやん。
そもそも許すも許さんも無いんやけどさ。

「ただよし君大好きって言ってくれんと嫌や。」
わざとらしく口を尖らせて彼女からの愛の言葉を待つ。

「えっ…。」
困った顔も好きやから、助けてあげへーん♡

しばらく躊躇しとった彼女が、顔を見られたくないのか俺に抱きついて囁いた。

「ただよし君しか見えてないよ？」

そんな言葉を聞いたら、そっからはそれはもう甘い夜で…。

こんな2人だけの時間を信じとったら良かったのにな…。