続・最後の恋（緑） (ページ11)

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Aが俺らの仕事に携わり始めても直接関わり無かったからあんまり実感無かったんやけど、今日はセットの打ち合わせで初めて一緒になる。

その前にメンバーに俺らの事を伝えとこうと思って、楽屋で二人の関係を話した。

すばる君以外のメンバーはぽかーんとして。
いや、横山くんと村上くんは戸惑った顔ですばる君を見とるから、きっと二人が付き合っとった頃から知っとるんやろな。

そんな二人にすばる君は穏やかな顔で頷いて見せとる。

「…彼女と仕事するってどうなん？」
亮ちゃんが真っ直ぐな目で俺を捉える。
ストイックな人やから、公私混同とかめっちゃ嫌いやんな。

「亮。今回の事は俺が頼んでん。」
俺の代わりにすばる君が口を開いた。

「え？すばる君が？」

「大倉の彼女のこと偶然知っとってな、きっといい仕事すると思って無理に大倉に頼んでん。」

「あ、そーなん？」
「大倉、責める言い方みたいんして悪かったな。」

「あ…いや、全然ええよ。」
「俺と付き合っとるからって遠慮とかせんといてな？」

「大倉の彼女かぁ、早よ見たいわ！」
浮かれるマルと対照的に静かに楽屋から出て行く年上3人。

きっとすばる君が今までの経緯を説明するんやろな。

これでええのに、何か卑怯な手使ったみたいな気がして後味が悪かった。