エイト集めました（短編） (ページ45)

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急いで駅の改札を抜けると柱にもたれかかってるヤス君と目があった。

「ヤス君…。」

「俺、Aちゃんのことが好き。」
「おーくらにも渡したないねん。」

いきなりの告白。
本当に微かな可能性で望んでいたけど、まさか…。

「サキの事は？…誕生日もプレゼントあげるくらいだし…。」

「んー…ホンマはな？来月のAちゃんの誕生日プレゼントをリサーチしたかっただけやねん。」
「回りくどい事して誤解招いてもうたんやな。」

「…おーくらと付き合ってるん？」
不安そうに覗きこむヤス君に、必死に首を横に振って否定する。

その途端大きく深呼吸して、良かったぁって顔を綻ばせた。

「さっき、Aちゃんを連れてくおーくらを見てホンマに焦ってん…。」
「今、行動せんかったら絶対に後悔するって。」

ほんとに？夢じゃないよね？

「わ…たし…も。」
「ヤス君が…好き…。」

「ホンマに？」
「良かったぁ…。」

「嬉しすぎんねんけど。」

優しく私を包んだヤス君が吐息混じりに耳もとで呟くから心臓がうるさくてしょうがない。

きっと顔も真っ赤だろうな…。
でもこのままくっついてたら見られる事もないよね。

だから…もう少しだけこのままでいさせて？
これが夢じゃないって実感できるまで。

ヤスくんの逞しい胸板に顔を埋めて、香りを吸い込む。

「ちょお…そんなんせんといて。」
「帰したなくなるから。」

ちょっと低めのセクシーな声が耳に入る。
じゃあ、一緒に私の部屋に帰っちゃおうか♡