エイト集めました（短編） (ページ39)

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「お疲れさん。」
「駅前の居酒屋でええ？」

「うん。飲むの久々だから嬉しい。」

「ああ、俺もそうかも。」
「まだ休み前ぐらいしか飲む心の余裕無いねんなぁ。」

「分かる！次の日仕事だと思うと思い切り飲めないよね。」

「じゃ、今日はとことん飲もなぁ？」

宣言通り2人ともハイペースでとばして、お酒の力もあって色々と話せて、何だか距離が縮んだ感じ。

もしかしたら私達いい感じなんじゃない？なんて思ったりもして。

だけど、現実はそう甘くなかったみたい。

「実はな、今日誘ったんは相談があったからやねん。」
「来週、サキの誕生日やん？」
「プレゼントどんなんがええんかなぁってAちゃんに聞きたくて。」

一気に谷底に突き落とされた感じ…。
社内でサキの1番近くにいる女友達としてご指名されただけか…。

「うーん…そうだなぁ…何がいいかな。」
声…震えてないよね？
大丈夫だよね？

「例えばAちゃんやったら何が嬉しいん？」

私なら…ヤス君から誕生日を祝ってもらえるなら何だって嬉しいよ。
言葉だけでも幸せだよ？

「おめでとうって気持ちだけで充分嬉しいかな…。」
思わず口に出てしまったみたい。

「あ、ごめん。これじゃ参考にならないよね。」

「いや…そんな事ないで？」
「そうやね、気持ちが大事やんな。」

しみじみ言うヤス君に、嫌な予感しかしなかった。