エイト集めました（短編） (ページ30)

今日:12 hit、昨日:1 hit、合計:578,843 hit

3 ページ30

「あのー、村上部長の彼女さんですよね？」

そう言ってきたのはいつも信ちゃんを見てキャーキャー騒いでる女の人たち。

「あ…、はい。」
どうしよう、ちょっと苦手だな。

「仕事は何されてるんですかぁ？」

「スポーツ用品店で事務と販売を…。」

「きっと大手なんでしょうね。従業員はどれくらいいらっしゃるんですかぁ？」

「え…っと、私と社長だけですけど…。」

そう伝えると私を囲んでいた女の人たちが一斉に笑い声を上げた。

「え？ウソー！そんな会社とうちが取引してるのぉ？」
「でも村上部長だからこそ、そんな所でもちゃんと営業かけてるんじゃない？」
「えー！でも何か釣り合わないし。」
「あ！それって部長と彼女さんも同じじゃない？」
「もー！失礼だってば！」

何でこんなこと言われなきゃいけないの？

ケタケタ笑いながら浴びせられる言葉は心にグサグサ刺さって、私の事だけじゃなくてお店までバカにされたのが本当に悔しいけど、怖くて何も言い返せずにその場から逃げ出してしまった。

信ちゃんには少し具合が悪くなったって嘘ついて車に戻って、泣いちゃうとメイクが崩れてバレちゃうからじっと目を閉じて涙を堪えて信ちゃんが来るのをひたすら待ってた。