エイト集めました（短編） (ページ29)

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信ちゃんと私の家は車で1時間位の距離だから、そんな頻繁には会えなくて、だいたい週末に泊まりに行くか、平日はうちの方に営業がある時は直帰にして夜ご飯を食べに行くぐらい。

そして、二人で過ごせるはずの週末は…。

「Aー！用意できたか？」
フットサルのユニホームを着て朝とは思えないテンションの信ちゃんがニコニコの笑顔で問いかけてくる。

土日のデートはいつもフットサルの見学。
それが不満な訳じゃなくて、フットサルをしてる信ちゃんはいつも以上にカッコいいからそれを見るのはとても幸せ。

それに練習や試合が終わった後は買い物や映画に行ったり普通にデートもしてくれる。

だけど…人見知りな私は信ちゃんの会社の人たちばかりの応援席にいるのがちょっと辛い。

しかも、きっと信ちゃんの事を好きな女の子も応援に来てて、何だか冷たい目で見られてるのは気のせい…だといいんだけどな。

「Aー！タオル！」

汗だくの信ちゃんが近付いてきてタオルとドリンクを渡すと、サンキュ、ってキラリと光る八重歯を見せてくれるこの瞬間だけは本当に幸せだな。

暫しその余韻に浸っていると急に声をかけられた。