エイト集めました（短編） (ページ23)

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『何ソレ？』
『彼女を心配しんやつがおると思うん？』

どうしよう…声が怒ってる。
なのに憎まれ口が止まらない。

『別に…。隆平が居ないと飲み会盛り上がらないから、私より優先していいよって言ってるだけだし。』
『みんな隆平を必要としてるから、それでいいじゃない。』

『じゃあ…Aは俺を必要としてないん？』

『今は…そうかもね。』

こんな事言いたいわけじゃない。
隆平に嫌われたくないのに…。

大好きなのに…。

『そっか、分かった…。』
『俺はいつでもAを必要としとるけど、Aは違うんやね…。』
『それじゃ…。』

初めて聞いた隆平の寂しそうなそれでいて冷たい声に、取り返しのつかない事をしてしまったと気付くけど、電話をかけ直すことも出来なくて、ただただ溢れる涙が頬を濡らして行く。

その日は毎日くれてたおやすみメッセージが初めて途切れた夜になって、ああ、こうやって毎日想ってくれてたのに何で今まで気付かなかったんだろってますます後悔に襲われた。