エイト集めました（短編） (ページ21)

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「A、飲み過ぎちゃう？」
「マルに怒られんで？」

錦戸は隆平の地元の後輩であり、友達で。
私達の関係を社内で唯一知ってる人。

「…関係ないし。」
「私なんて気にせず楽しそうにしてるじゃない。」

「エラい機嫌悪いなぁ。」
「モテる彼氏持つと大変やねぇ。」
錦戸がニヤニヤしながらからかってくる。

そう…。
モテるんだよね、すっごく。
それだけ魅力のある人が何で私と付き合ってるんだろ。

いつだって不安なんだよ…？

もっと素敵な子が現れて隆平を奪われちゃうんじゃないかって。

付き合えた時は夢みたいに嬉しかったのに、いつもそんな不安が心の中で燻ってる。

「…モテる人なんて嫌だし。」
「錦戸の彼女もきっと大変なんだろうねぇ。」

「んー…。どやろ？」
「でも俺の方が彼女にゾッコンやしな。」

そう。
コイツは分かりやすく彼女にだけ優しくて他の女子社員とは必要最低限しか会話しない。

他人から見てもその愛情は分かりやすくてちょっとだけ…いや、かなり羨ましい。