エイト集めました（短編） (ページ9)

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「気を持たせるような事はしとらんつもりなんやけどなぁ。」
「興味ないって普段から態度に出しとるつもりやし。」

「でも、飲み会の時のアレは勘違いするやろー。」
「そんなんしとったら本命に逃げられんで？」
「ただでさえ企画部ナンバーワンの人気でライバル多いやん？」
「うちの課でも狙っとるヤツおんねんで？」

そこまで聞いたら居ても立ってもいられなくてその場を立ち去って、トイレに駆け込んだ。

飲み会の時の勘違いは私で。
企画部ナンバーワン人気の好きな子はミユちゃんで。

【興味ないって普段から態度に出しとるつもり】

そうだった。
分かってたはずなのに少しだけ夢を見てしまったんだ。
受け入れなければいけない現実に手が震えて、もう片方の手で必死におさえる。

それから午後の仕事をどうこなして帰宅したのか全く記憶にないけど、気付いたらリビングのソファーで1人泣いていた。

泣いて、泣いて。
これで涙が枯れたらいいのに。

この想いも消えてしまったらいいのに。