Cause, I love you. to 橘 優 ページ30
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「ねえ、あと二年したら結婚してよ」
「え、なんで」
「だって、あと三年でお見合い結婚させられちゃうんでしょ? ならその前に迎えに行ってあげる」
その言葉を聞いて、ちょっとだけこめかみのあたりがピキッと音を立てた。
そんなの、言わないでよ。期待、させないで。
だって、みんなそう。ごめんねって、じゃあねって言ってさよならするの。無責任だよ、そっちから好きって言ったのに。
「なんか嫌だった? おれのこと嫌い?」
なんて言われても、嫌いじゃないし、むしろ大好きだから言葉に詰まる。
違うの。そういうことじゃない。だって、悪いのは誰だか、わたしにもわかんないんだもん。
「ごめんね」
ああ、また。また、ばいばいって言われちゃう。ダメなのに、そんなこと言われたくないのに。ごめんねも、ばいばいも、友達のままがよかったね、も、全部だいっきらいなのに。
「いきなり結婚してなんて言われたら、驚くよね」
頭に、指が載る。
「でも、本気だから。嘘じゃないってわかってくれるまで、何回でも言うからね」
なんて、くしゃくしゃって笑うから、ぎりぎりまで出かかってた言葉が喉からぐしゃぐしゃあふれ出る。絶対顔きたないよ。そうやって何にでも手伸ばそうとするのやめたほうがいいよ。うん、やめなよ。
「優、くん」
「はい、なんでしょーか」
「あり、がと」
「んふふ、どーいたしまして」
目元に指が押し当てられて、少し冷たい温度が伸びていく。早く、乾いてくれるといいんだけど。
Could I get your free?→←I waiting you.
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Rin(プロフ) - しゅーずさんや3部さんやS!Nさんの作品と初めて巡り会えてテンションあがりました!もっとのびてほしいです…これからも更新楽しみにしています! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 6f41a7d296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:硝子体 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/glass/
作成日時:2019年6月26日 20時