【歌い手】僕がきみにプロポーズする5つの理由【短編集】 (ページ20)

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I give it you. from しゅーずページ20

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ここ最近、家で僕を待つおかえりが愛おしくて仕方ない。ふたつの、いや、みっつの体温が待っていると思うと、帰途がとてつもなく楽しくなる。
知り合いには、恋する乙女とまで言われたので、筋金入りだと思う。さすがにないだろ、恋する乙女は。
お風呂から上がったばかりだという彼女たちの髪にオイルを塗りたくり、ドライヤーで乾かす。早く仕事を上がれたときの至福の時間。そのあと、ごはんを食べて、体を清めて、いくつかの言葉を交わして、同じベッドで眠る。

そんな、早く上がれる日を楽しみにしていたら、いつのまにか指輪と、それを入れるケースが手元に。
いや、さすがに買ったことくらいは覚えてますけど。ティファニー好きだったよね。うん、そうだよね。これで、ティファニー好きじゃないとか言われたら泣きます。

全部忘れさせてあげられる、とか無責任なことは言わないけど、僕といてよかったって言ってほしいよ。

「僕にも、きみたちを支えさせてください」

ポロポロ涙をこぼすのも、それを真似するのも、それ以外も全部守りたい。守れなくても、支えくらいにはなりたいから。

I want to forget him.→←I want your time.