【歌い手】僕がきみにプロポーズする5つの理由【短編集】

I want you!!! very much!!! ページ27

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……嫁さんの手料理が食べたい。

ツアーが始まってしまったから、その欲望もなかなか叶えられず、ひとり悶々とした夜を過ごしている。

Aが作った筑前煮が食べたい。この前、っていうか二ヶ月くらい前に作ってくれたしゃけときぬさやの炊き込みご飯も食べたい。あわよくば一緒に食べたい。

嫁を連れて歩きたい。仕事熱心だから、絶対に嫌って言われるだろうけど、抱き枕みたいにずっと抱きしめておきたい。

そんな衝動を抑えるつもりはない、電話する。

ちなみに、この話をしたらねじ式さんには「また振られないようにね」と、奏音さんには「お嫁さん大変そうだね」と、るすには「いやめっちゃわかるうちの姫常に連れて歩きたい」と言われた。るすはなんか語ってきた。

「……あ、A？ もしもし、俺。……ん、そ、ごはん一緒に食べたい。え？ なんでもええよ、Aちゃんの作りたいもん作って。うん、うん、わかった。頑張ってくるわ」

ふわふわした会話をして、惜しさを飲み込みつつ通話終了ボタンを押す。

「あー、がんばろ」

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