I promice you. from あげいん ページ2
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俺の幼馴染は、っていうかきみは、生まれつき体が弱くて、一緒に外で遊んだことなんてなかった。
そもそも、学校行事だってちゃんと参加できてたか危ういじゃんね。
だから、俺ときみは、いっつも三センチから三十メートル離れていて、その距離がそれ以上縮まることも、離れることもなかった。
でも、あのとき、きみの心臓が止まりかけたとき、もう二度ときみに下らない話ができなくなるかもと思ったから。
止められないきみとの距離を、少しでも詰めておきたいと思ったから。
きみの、伏せられがちな瞳に、白だけじゃない、キラキラした世界を見せてあげたいと思ったから。
何も知らないきみの、ひとつひとつの『はじめて』と『さいご』が欲しいと思ったから。
それに、いつか約束した花火大会も、結局行けていないし。
きみが出かけられる日は、いつも雨が降っていたけど、肌に濡れた髪が張り付いたまま笑う顔は、明るい色が咲いて見えた。
それでも、いつまで経っても花火はここからしか見られないね、なんて笑うのだけはどうしたって辛そうで、一度でもいいから、目の前で咲く華を見せたいと思った。
俺と、外の世界を見に行こう。
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Rin(プロフ) - しゅーずさんや3部さんやS!Nさんの作品と初めて巡り会えてテンションあがりました!もっとのびてほしいです…これからも更新楽しみにしています! (2019年7月15日 21時) (レス) id: 6f41a7d296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:硝子体 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/glass/
作成日時:2019年6月26日 20時