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そんなこんなで休憩が終わって仕事に集中してたらいつの間にか終わる時間で。今から私は顔も知らん人と待ち合わせ。今まで関わる男と言えば家族とグルちゃんとその友達だけだったから正直緊張してる。怖いなぁ。どんな人なんだろ。
｢…ふぅ｣
深呼吸をして、ガラスの扉をあけた。横に黒いコートを着た、背の高い男の人。この人かな？岩崎さん。
｢あ、あの…｣
｢！お、尾崎さん！…すみませんお呼びだてして｣
｢あっ…いやっ…大丈夫、なんですけど。初めまして、です、よね？なんで私を…｣
あー…やばいやばい人見知りすぎて吃る、言葉が詰まる。なんて言えばいいのよこんなの。この後言いそうなことなんか分かりきってるし顔みたけどやっぱりグルちゃんの方がイケメンだし。
｢えっと…その、お、尾崎さん！俺、一目見た時からっ｢そこまで｣…え｣
｢え、グルちゃん！？｣
｢終わったなら連絡しろ、華｣
岩崎さんの言葉を遮って聞こえたのは、聞きなれたバリトンボイス。その瞬間ほっとしたのは気のせいじゃないと思う。
｢すまんな、君。こいつは俺のなんや｣
失せろ
｢っ…彼氏いんのかよ(ﾎﾞｿｯ｣
苦虫を噛み潰したような顔でそそくさと去っていく…誰だっけ、、あぁそうだ岩崎さん。そして目の前の不機嫌オーラ全開の大魔王グルちゃん。
｢…誰だあの男は｣
｢さぁね、知らない人よ｣
｢知らんわけあるか。お前と同じ会社なのに｣
｢他部署の人間まで私が覚えられるわけないでしょーが。…あーぁ、彼氏出来るかもしれんかったのに｣
なんてね。今まで彼氏欲しいとか言う割に積極的に作ろうとしなかった。理由は何となくわかってたけど無視してた…今日までは。
(あー…私グルちゃんが好きなんだわ)
"｢こいつは俺のなんや｣"
(そうなんだよなぁ…多分小さい頃からもうずっと私ってばグルちゃんのだった)
｢どこぞの馬の骨にお前の隣なんか歩かせるわけないやろ。俺にしとけ｣
｢うん｣
｢え…ほんまに？｣
｢自分で言っといてw…だってさぁ、物心ついた時から隣にはグルちゃんがいてさ、もう他の誰かといる想像なんか私にはできないよ｣
｢責任とってよね｣
｢当たり前やろ！よし、明日にでも挙式あげよう｣
｢は？馬鹿じゃないの！？明日も仕事ですー｣
｢そんなもん辞めてしまえ、俺が養ったる｣
これからも私の隣には君が、君の隣には私がいる日常が当たり前。
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作者名：みひろ | 作成日時：2023年3月7日 10時
