あいらぶゆー。Ⅱ (ページ6)

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｢華ちゃん、だよね？僕のこと…覚えてる？｣

｢へ、あ…赤城く｣

｢え、なんでぶるーくって呼んでくんないの！昔はぶるーくって呼んでたのに…｣

ある日の放課後、日直だった私は1人で教室の片付けをしていた。ほんとはペアなんだけど…あんな幸せそうにデートなんだって言われたらいってらっしゃいって言うしかないじゃん。日誌を書いて、黒板を消して。鍵を返して靴箱に着いた、その時だった。ぶるーくに話しかけられたのは。

｢ほんとはもっと早く話しかけたかったんだけどね、勇気が出なくて｣
｢忘れられてるかもって、僕のことなんか覚えてないんじゃないかって思ったらこんなに時間かかっちゃって｣

｢そ、そんなの私の方こそ…覚えてくれてるなんて思ってなかった…から｣

束の間の沈黙。もう日は沈みかけてて、空は黒が支配し始めている。まさか、まさか話しかけてくれるとは。同じような気持ちを抱えているとは。

｢今から帰るの？｣

｢え？うん。ぶるーくくんも？｣

｢そーそー！あの、もしよかったらなんだけど…い、一緒に帰らない？ほら、もう暗くなってるし！女の子一人で帰るの危ないし！｣

｢大丈夫だよ？こんなでかい女襲う奴なかなかいないって笑｣

｢いやいや僕なら襲うね間違いなく…ってそうじゃなくて。お願い！一緒に帰りたいんだ｣

だめかな、なんて。襲う発言にはびっくりしたものの、大きい身長で子犬のように見つめてくるぶるーくくんに勝てず。結局一緒に帰ることになってしまった。