もう大人なんだよ.br ページ11
私、尾崎華。24歳独身、社会人7年目の社畜。一人暮らしをしていたが、最近上京してきた地元の幼なじみ(年下)と一緒に暮らすようになった。
｢華ちゃん！はい、これ。好きでしょ？｣
｢えっあ、うん。好き。ありがと｣
｢どういたしまして〜｣
上京してきたそのままの足で私の家に転がり込んできた幼なじみことぶるーく。頭よし器量よし面倒見もいいときた。できた弟だ。血は繋がってないけど。
｢華ちゃーん｣
｢わっ！？ちょ、ぶるーく！近いって、離れて｣
｢えーなんで。やだ｣
｢や、やだってあんた…子供じゃないんだから｣
｢やだやだやだやだ！離れないからね！｣
｢…はぁ、ったく。大人になっても甘えんぼなんだから｣
｢えへへ｣
｢私にもし彼氏がいたらどうするつもりよ｣
｢！？何誰！！僕というものがありながら…！あたしとは浮気だったのね！？｣
｢何言ってんのwwwいないよ彼氏なんか。いたらそもそもここで暮らすの許可してないでしょ｣
｢たしかに｣
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
｢さすができた弟だわぁ…｣
｢………ねぇ、華ちゃん｣
ぐいっ
｢ぅわっ｣
手招きされて近づけばいきなり手首を引っ張られて思わずぶるーくに倒れ込んだ。頭をぶつけるかと思ったけどきたのは衝撃じゃなくて包み込まれた感触。
｢ぶ、ぶるーく？｣
｢…華ちゃん。ちっちゃい頃に僕が華ちゃんにプロポーズしたの覚えてる？｣
｢あ…おぼ、えてる｣
｢僕もう結婚できる歳だよ｣
｢へぁ！？え、と…そだね(？)｣
｢身長も、手も足も華ちゃんよりおっきくなったんだよ｣
そう言いながら引っ張られた体勢のままぶるーくの肩に置いている私の手に、するりと自分の手を重ねてくる。思わずびくっと体を揺らすと、くすくす笑いながらさらに続ける。
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作者名：みひろ | 作成日時：2023年3月7日 10時
