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ー「はぁ〜……終わんのかなこれ……」
目の前にどっさりと詰まれたレターセットを前に、頭を抱える。まだ三分の一も終わってない。しんどい。
マジで右腕腱鞘炎になりそう。
……いや、しょうがない。自分が、俺がやったことだから。
よし、やるか。そう意気込み、ペンを手に取ったとき。震えるスマホ。なかなか鳴り止まない。あ、電話か。
こんなときに誰だよ、なんて悪態をつきながら画面を見れば。取るのをためらった。
表示されている名前は。『桜ノ宮A』。
どうしよう。迷ってたら切れちゃう。かけ直す勇気なんて、俺にはない。いつの間にか、人差し指はスワイプしていた。
「……もしもし？」
「あ、瑞稀？えっと……久し、ぶり？」
まだあれから一ヶ月も経ってないのに。懐かしく感じる。失恋の痛さは、ほんのりと残ってるみたい。
俺は窓の景色を見つめながら、Aの言葉を待った。
「……ありがとう。それと、本当に、ごめんなさい」
「全然。あの後上手くいったの？」
「ぁ、まぁ……」
なんてらしくない。こんな弱気なA、初めて見るかも。まぁ、『良かったね』なんて言えるほど、俺も心広くない。
「そっか。てか何くらった？
俺参列者全員分の謝罪文。手書き」
「はい、全く一緒。こればかりは一人で書かないとね」
「まぁ〜、ぶっちゃけこんだけ軽くなったのも改正されたからだよね」
背もたれに寄りかかれば、キイッと鈍い音。俺が結婚式をぶち壊したように、過去に何回かそういうことがあったらしい。
理由は同じ、『執事とお嬢様が恋に落ちてた』。
だからかこの間、この規定は廃止された。もちろん、十八歳になったら結婚も無くなった。
「お互い頑張ろ」
「うん。それじゃ……また、今度ね」
『またね』。そう言われないだけ、嬉しくて。抑えた目頭。きっとまた違う場所で会うから。
最後じゃないから。『久しぶり』、なんて笑って話せる日来るから。泣くな。
「……うん、切るね」
耐えられなくなり、さっさと切ってしまった電話。余裕なさすぎて、気の利いた言葉が何一つ言えなかった。
うん、しょうがないしょうがない。俺は気持ちを引き締め、今度こそ机に向かう。が。次はコンコンと鳴ったドア。ツイてない。
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すず - 瑞樹くんしんどいよーーーーー好き (2019年8月24日 0時) (
レス) id: 580bd29777 (このIDを非表示/違反報告)
みんみ(プロフ) - れなさん本当に大好きです( ；；) (2018年4月14日 12時) (レス) id: 8cf3e1b822 (このIDを非表示/違反報告)
りみるく(プロフ) - 柚葉さん視点の瑞稀くんとのお話が見てみたいです！ (2018年3月30日 21時) (レス) id: c4887ae4b8 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - ねるちさん» ねるちさんこんにちは！いつもありがとうございます。そんなに褒めていただいて本当に恐れ多いと言うか照れると言うか(汗)。もう終わってしまいますが、ぜひよろしくお願いします！ (2018年3月30日 12時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
れなさん(プロフ) - ゆのんさん» ゆのんさんありがとうございます！今日最終話ですが、ぜひ最後までよろしくお願いします(ペコリ) (2018年3月30日 12時) (レス) id: c72a49e4f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れなさん
| 作者ホームページ：れなちゃん(@pinky_lovers98)さんをチェックしよう https://twitter.com/pinky_t17?s=...
作成日時：2017年11月14日 18時
