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He 22 ページ46

ぐるぐる、色んな感情が

頭の中を巡ってる。


今さら残りのツアーの心配って…

…じゃあ何で今なの。



父「Aのタイミングは、
もう、ここしかなかったんだよ。
まだしばらくは、気付かないでいてくれると
思ってたんだけど…。
バッドタイミングになってしまって、
…本当に、君には申し訳ない。」



まさに考えてた事を言い当てられて驚いた。

でも、そんな事より…、



「もう、そんなのいいんです。
俺、ただ、会いたいんです…
どこに居ますか?もう、行ったんですか?
…どこでも、俺どこの国でも行きますから…」



俺を見つめるAのお父さんは

どんどん悲しそうな表情になる。



父「…申し訳ない、教えられる事はない。
Aの気持ちを尊重するよ、親だからね。
それに、行けるような状況じゃないだろ?
落ち着いて考えなさい。」



お父さんの、その妙に落ち着いた態度にも、

言い様の無い不安が込み上げる。



「お願いします、教えてください。
…留学なんて話、一言も出た事なかった、
突然全部、捨てちゃうみたいに居なくなって。
…俺、変なんです。
もしかして戻って来ないんじゃないかなんて、
そんな変な考えが浮かんできたりして…
俺っ…、」


ワケ分かんない、恥ずかしいけど泣けてくる。


父「…佐野君、特別にこれだけ、教えるよ。
Aはね、……この業界での仕事は
全てやり終えて、出発したよ。」



その声は、一番優しくて厳しい声だった。



「…え?…辞めたんですか…」


父「まぁ、まだ掲載誌も出るからね、
正しくは… 辞める、になるのかな。
君らのツアーが終わる頃に発売されるのが
Aの卒業特集号になるはずだよ。」



「もう、行ったんだ。…帰って来ますよね。」


戻らない気しかしなくて、信じたくないのに、

聞きたくなんかないのに、つい零れた。



父「君は、ツアーをやり遂げなさい。
君のやるべき仕事を全力でやるんだ。
Aも、頑張ってるから…。
出来るだろう?
…君は、Aが選んだ男のはずだから。」



Aのお父さんは答えをくれなかった。

ただ、Aによく似た目の色で

俺を優しく見つめてた。




…何も分からない。

…何も分からないけど、


目の前の仕事を必死でやるしかないんだ。



.

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しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時

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