検索窓
今日:12 hit、昨日:3 hit、合計:207,718 hit

守りたいもの 1 ページ31

ケ「…会わせたくない訳だ。」


ふと、私の髪を撫でる気配…



『え?っわ!』


顔を上げた時、グッと体を寄せられて驚く。


反射的に後退りすると、

椅子を引き摺ってギィッと嫌な音を立てた。



ケ「…うん、カオルさん…やっぱ可愛いね。
見た目はこんなに大人でセクシーなのに、
実際はウブって、…完璧だよ。」


『いえ、…あの、…離れてもらえます?』



…止めて欲しい。

嗅ぎ慣れない香りが鼻をついて気分が悪い。


それなのに、私の言葉には無反応で

ケンゴ、さん、はさらに距離を詰める。



ケ「…佐野君にさ、何度もお願いしたんだよ?
カオルさんに会わせて欲しいって。」


『…きゃっ!』


突然上から肩をグッと押されて、私はまた

同じ椅子に腰を下ろす形になった。



『ちょっと、何を…っ!』



咄嗟にキッと睨むけど、ケンゴさんは無視して

私の頭の上から話し続ける。


…その目が、とても怖い。



ケ「今日、直で君に会えてラッキーだった。
……ねぇ、今度さ、ウチの服も見に来てよ。
それにさ、友達が君の事大好きなんだよね、
そいつと仲良くしてやって欲しいなー。」



話してる内容はよくある内容なのに、

私の中に警告音が鳴っている。


"この人とはこれ以上関わっちゃだめ"



ケンゴさんの目は、笑っていない…



『私のスケジュールは、あの、母が全部…
管理してるので、…だから、む、難しいと…』


その私の言葉を止めるように、

ケンゴさんは静かに唇の前に指を立てる…


ケ「君らあの夜、…もっと親密じゃなかった?」



『……は?』



ケ「…俺も初めは良い写真って思っただけで、
全くこんなつもりじゃなかったんだよ?
でも、実際会うと…。彼は結構扱いにくいし、
可愛い君とは仲良くしたくなったし…。
本当にごめんね。悪いとは思ってるんだ、
コピー、なんて…。」



『………コピー?』



ぞくりと背中が震えて、一気に顔が強張った。

イヤな目付きで私を見下ろすケンゴさん。


私達の間を張り詰めた空気が支配した。



ケ「…考えれば、分かるじゃんね。
誰が誰のためにどうするべき、とか…、」



"あっ!やっぱり!!!"





_その時、ケンゴさんの背中から


聞き慣れた優しい声が聞こえた。




.

守りたいもの 2→←彼のために 10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (229 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
885人がお気に入り
設定タグ:佐野玲於 , GENERATIONS , 恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しをちゃ(プロフ) - まぁさんおはようございます!また読ませていただけるのかな?と思ってます! (2021年10月25日 4時) (レス) @page49 id: dc85e84606 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんお元気ですか??? (2018年12月5日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんこんにちわ!やっぱり何度読ませて頂いても泣ける。゚(゚´Д`゚)゚。本当に好きです! (2018年4月6日 16時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
しをちゃ(プロフ) - この終わり方私も好きです、ナケチャイマスケド(><)名古屋ドーム私も行きますよ!楽しみましょう!続き楽しみにしてます (2018年4月4日 13時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - まなさん» こんにちは!"カオル"は主人公の芸名です。私としては、主人公は本名非公開で芸能活動してた設定でお話を進めています。なのでずっとカオル呼びの登場人物もいます。お返事がズレていたら、ごめんなさい。 (2018年4月3日 1時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まぁ | 作成日時:2018年1月11日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。