優しくない人 10 ページ30
隼「…Aちゃん、
送るよ、帰ろう？」
そっと立ち上がらせようとする隼くんに、
私はしがみついて首を振った。
隼「Aちゃん…？」
『…ねぇ、どこへ行ったの？』
隼「…え？」
『玲於は、今日どこへ行ったの？』
隼「……。」
私の問いかけに、隼くんは困った顔をする。
亜嵐「…あっちの、事務所に…」
隼「亜嵐君っ！」
隼くんらしくない口調で遮る姿に、悟った。
『…萌先輩…？』
隼くんは困ったように眉を下げたまま、
優しく頭を撫でてくれた。
隼「…玲於から、ちゃんと聞くべきだよ。
…きっと上手く行くから、ね。」
安心する、優しい笑顔を向けてくれる。
『…うん。』
私の心は少し暖かくなった。
なのに…
亜嵐「…解決はするだろうけど、
絶対に上手くは行かないよ。」
隼「亜嵐君っ！またそんな事…」
亜嵐「理由があるんだよ！
隼、お前も知らない。当の玲於だって、
今日現地で驚いたんじゃない…。」
有無を言わせない強い眼差しを私に向けた。
亜嵐「…Aちゃん、
俺が上手く行かないって言うのには、
ちゃんと理由があるんだよ。」
『…何、ですか…？』
白濱先輩は、テーブルに向き直った。
私と隼くんにも、席につくように目配せする。
隼「…何、理由って？」
白濱先輩はおしぼりで口元を拭うと、
すっかりぬるくなったビールで
喉を潤してから話し始めた。
亜嵐「今日玲於に同行したのはマネージャー
だけじゃない。…もう一人、いる。」
隼「…え、誰？」
亜嵐「…奈々が、一緒に行ってる。」
隼「…はっ！？な、奈々さん？」
…？ …誰？
隼くんが、すごく驚いてる。
…少なくとも、知り合いなんだよね。
『誰？』
白濱先輩はまっすぐ私を見て、教えてくれた。
亜嵐「玲於が、Aちゃんと付き合う前に
割と真面目に付き合ってた、女の子だよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 683人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しをちゃ(プロフ) - まぁさんもうドンだけ泣かせますかo(T□T)o目腫れちまいましたょまた待たせて頂きます♪ (2018年1月5日 12時) (
レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - ☆みるく☆さん» 明けましておめでとうございます！自分で書いておいて何ですが、じれったい展開になってしまいました…。でも、まだまだ頑張ります！今年もどうぞよろしくお願いします！ (2018年1月3日 12時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - あおさん» 明けましておめでとうございます！今年も丁寧にお話にのめり込みたいと思います。どうぞよろしくお願いします！ (2018年1月3日 12時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - りおさん» こんにちは！好き、と言っていただいて嬉しいです。GENEさんの応援共々、更新これからも頑張りますね！ (2018年1月3日 12時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - shiori140926さん» コメントありがとうございます！GENEさん達にパワーをもらいながら、更新頑張ります！ (2018年1月3日 12時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まぁ | 作成日時：2017年12月1日 19時
