トリプルフェイスの真実【降谷零】

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真っ暗な暗闇。



差し込んでくるのは月明かりだけ。




バーボン「クソッ‥」



感じるのはバーボンの気配だけ。





A「‥‥これじゃ、すすめられないね」




ハアとため息をつく。





バーボン「‥‥怖く、ないのか？」



彼の熱い、体温が空気を通して伝わる。


それが近い距離を物語っていた。





A「怖く、ないよ」





アンタと一緒だからね。



そうは言えず、乾いた笑いを響かせた。






バーボン「‥‥変な奴」






バーボンがハハハ、と笑う。


ああ‥私


やっぱり今日ツイてる。



私の前で笑ってくれるなんて、初めてだもん。



A「え、何でおかしいの？」




バーボン「別に」





バーボンの声が


暗闇のせいか耳で反響する。




夢を見た途端、いつも奈落に落とされるのだ。





A「いつも自分のことは教えてくれないんだね‥なにも。




貴方ばっかり、私のことを知っていくのに」





うん、知ってる。



自分がどういう状況なのかも。



バーボンがどういう立場なのかも。





そうむやみに、情報を漏らしてはいけない世界で生きているのだから。



いいや、今日は


笑い声が聞こえて


こんなにもたくさん話せたのだから。






A「ごめん、忘れて」









バーボン「‥‥‥A、」

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