Memories of the cherry blossoms【降谷零】

2-3 ページ22

ガチャ、


帰ってきた彼を見つめると、玄関で座り込んでいた私を見て一瞬驚いた表情を浮かべた。


降谷「ペットを2匹飼ってる気分だな」



でもすぐにそう言って笑った。




A「私‥、きっとこれからも零くんに何かあるかもしれないと思ったら2人のこと思い出すと思う。


それはきっと‥不安だから。
でも、なるべく‥思い出さないようにするから、だから！、」




降谷「ストップ。」



降谷の人差し指がAの唇を塞ぐ。




降谷「僕は2人のことを思い出すな、なんて一言も言ってないよ？それに‥。2人の‥いや、同期の思い出は僕が君と話したいんだ」



A「零‥くん、」



降谷「ただちょっと嫉妬しただけさ。」



A「え？」



聞き返すと降谷は揶揄うように微笑む。



どういう意味‥。


いや、勘違いでなければ意味はわかっている。


きっと、本当は私も。


だけど‥。






その日の帰り道。

Aはケータイを耳に当てた。


ーよお、A。悪いねえ、今日の約束どうやら行けなくなっちまったみたいだわ。

だけど安心しろよ。オレはいつだってお前のそばにいっからー


萩原が最後に残してくれたボイスメッセージ。



何度も繰り返し聴いて、1人涙を流した。

trigger（★今回の映画のネタバレを若干含む内容です）→←2-2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す