7-2 ページ13
それでもその数年は心の支えとなる存在が近くにいて、
親友を亡くしたAの隣にはいつも松田が隣にいた。
自分も辛いはずなのにAが悲しそうな表情をする度に笑わせてくれた。
萩原の命日の11月7日。
決まって松田と2人でお墓参りに来ていた。
松田はいつもその前日かAと行った後にもう一度、同期水入らずで萩原に会いに来ていたみたいだがそれでも毎年必ず2回、付き合ってくれた。
松田と2人で萩原に会いにくるようになって4回目の年が訪れようとしていた時だった。
その日は野暮用があるだとか言って、同期とは前日に来ていたようだが仕事にいく朝イチ、朝日が差し掛かって間もない時間に2人で萩原に会いに来ていた。
松田は爆発物処理班から強行犯捜査三係へと移動していた。
Aの隣では落ち着いたフリをしてくれているけれど松田もまた、頭に血が昇っていたのは知っていたからこそ部署を移って心底よかった。
でも、その日の彼はいつもと違って見えた。
どこか身に覚えのある胸騒ぎに蓋をして、わざと明るい声を出す。
A「ねえ、研ちゃん。陣平このサングラス全然似合わないよねえ」
松田「あ？めちゃくちゃ似合ってるだろうがよ」
A「似合ってるけど見慣れないよねえ？」
あなたの私を呼ぶ声はひどく切なく恋しいけど、
それでも、
やっと冗談を言って笑える。
だから、きっと大丈夫。
Aは思っていたのに。
11月7日、
その数時間後に彼女は
親友、松田陣平の殉職を知ることとなる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 144人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「降谷零」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チョコレートコスモス(プロフ) - あおさん» わー本当ですね（ ; ; ）失礼いたしました！教えてくださりありがとうございます (2022年6月1日 21時) (
レス) id: 4ab3666003 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 松田の名前、陣平ですよ。 (2022年6月1日 19時) (レス) @page1 id: e2c1a012e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チョコレートコスモス | 作成日時：2022年5月28日 17時
