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「初めまして、神谷先生！これからお世話になります、佐倉七瀬です。よろしくお願いします！」
昨日は結局ゆっくり挨拶できなかった佐倉さんが、朝イチで医局へ挨拶に来た。元気よく挨拶をした彼女は、勢いよく頭を下げてお辞儀をする。新人らしい懸命さが伝わってきて、私の口元からは思わずクスリと笑いが溢れた。浬のことを好きだという彼女に対しては、少なからず苦手意識を抱いていたけれど、そういったものをつい忘れてしまうくらいの気合の入れっぷりに肩の力がフッと抜けた気がした。
「初めまして、佐倉さん。循環器内科の神谷Aです。よろしくね」
「はい！ また、お手伝いできることがあったら言ってください」
「そのときはお願いします」と笑って返すと、彼女は元気な声で「では失礼します！」と部屋を出ていった。
昨日の彼女の言葉を思い出すと、今もやっぱり胸がざわつく。あのルックスだから浬もナースたちから「かっこいい」と言われることは多いけど、性格に難ありだから告白までする人をここ数年で見たことがなかった。でも、佐倉さんはただひたすらに浬だけを真っ直ぐ見つめて、聞いているこちらまで恥ずかしくなるくらい惜しげもなく、その思いを熱心に伝えていた。その勢いが、私にはとてもうらやましく映った。小さくため息をつき、再びパソコン画面に向き合う。すると、後ろから「神谷先生」と呼ばれ振り返れば、笑顔の小石川先生がいた。
「小石川先生、お疲れ様です」
「お疲れ様。さっき、佐倉さん挨拶に来てたの？」
「ええ。昨日は私も早番でしたし、バタバタしてて、きちんと挨拶出来なかったからって」
佐倉さんが出て行ったドアの方を見つめた小石川先生は、自分のデスクに向かい、ゆっくりと椅子に座った。
「どこの科も同じ状況ですけど、うちも人材確保はしっかりしていきたいと思います。新人が辞めないよう今年もサポート頼みますよ、神谷先生」
小石川先生の言葉に、毎年のように新人に厳しく当たる浬の姿を思い出す。患者さんの命を預かるわけだから、生半可な気持ちで出来る仕事ではないけれど、いかんせん浬はスパルタすぎるんだよね……。
「『今年は誰も辞めさせない』、ですよね？」
「そう！ 天堂先生の指導に心が折れる看護師がいたら、先生がフォローに回ってあげてくださいね」
「了解です。じゃあ、今度の差し入れ期待してますね」と私が笑うと、小石川先生も「それくらい任せてください」と笑みを返してくれた。
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moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 8時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
HIKARU(プロフ) - 天堂先生の漢字間違ってます (2020年4月28日 14時) (レス) id: eab8b332b2 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございました。初めての投稿で、きちんと規約を確認せずに作品を作ってしまったことを反省しております。ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。 (2020年4月23日 18時) (レス) id: d41278724c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪菜 | 作成日時：2020年4月17日 16時
