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流子さんと呑み始めて1時間。お互いの近況報告をしながら、持ってきたおつまみを
流子さんとの付き合いも、もう長い。よく顔を合わすようになったのは、みのりが死んでからで、元気のない浬に家でご飯を作っていたときに初めて出会った。姉としても、あのときの浬の状態は気がかりだったようだ。頻繁に顔を合わせる内に、すっかり仲良くなってしまい、今では本当の姉のように慕っている。
流子さんからは過去に一度だけ『浬のこと、好きじゃないの？』と聞かれたことがあった。突然の尋問に一瞬、言葉を詰まらせたけれど、私は『……同僚として、好きですよ』とだけ返した。みのりの死後、あまり時間が経ってないこともあったし、私は浬に自分の気持ちを伝えるつもりもなかったから。だから、流子さんにも「異性として浬が好き」ということは言っておらず、それ以降も流子さんはその話題には触れてこなかった。
「……浬、今日新人看護師に告白されてたんですよ」
持っていたグラスを揺らしてカランと氷の音をさせながら、私は小さく呟いた。「え？」と聞き返す流子さん。私はもう一度「浬、新人看護師に告白されたんですよ？」と、今度は笑みを添えてそう言った。
「うっそ〜！ あの冷徹男に告白するなんて、勇気あるね〜！」
「周りからは、すでに『勇者』って呼ばれてますよ」
ナースステーションではその話題で持ちきりで、「あの魔王が」とか「勇者現わる」だとか、そんな言葉が飛び交っていた。主任看護師との話を終えると、彼女たちは私の元へやってきて『神谷先生は、どう思いますか？』と詰め寄られる始末。浬が好きな私にとっては答えにくい質問だったから、『どうなんだろうね』と曖昧な返答を返すことしかできなかった。
「……Aちゃんは、どう思ってるの？ その子のこと」
いつもより少しトーンの低い声で流子さんがそう尋ねてきた。私は「そうですねぇ……」と言った後、手元のグラスをグッっと煽って飲み干して、隣に座る流子さんに笑いかける。
「まだよく知らないから何とも言えませんけど……浬には、幸せになってほしいって思ってます。今までも、これからも、それはずっと変わりません」
私の言葉に「そっか」と返すと、流子さんは私の頭をぐしゃぐしゃと撫で回しながら少し寂しそうに笑っていた。
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moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 8時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
HIKARU(プロフ) - 天堂先生の漢字間違ってます (2020年4月28日 14時) (レス) id: eab8b332b2 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございました。初めての投稿で、きちんと規約を確認せずに作品を作ってしまったことを反省しております。ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。 (2020年4月23日 18時) (レス) id: d41278724c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪菜 | 作成日時：2020年4月17日 16時
