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みのりの葬儀が終わった後、泣き崩れる浬にかける言葉も見つからず、私はただその肩を抱きしめながら一緒に泣くことしか出来なかった。
それからの浬は人が変わったように笑わなくなり、これまで以上に仕事にのめり込んでいった。多分、そうでもしないと心の均衡を保っていられなかったんだろう。私や晃一をはじめ、同期のみんなも同じような状況だったので、浬のその気持ちは痛いくらいに分かった。
『ねえ、A。私が死んだら、浬をよろしくね』
みのりの死は私たちにも悲しみを与えたけれど、そんなみのりとの約束を、私は何としてでも果たしていきたい。元気のない浬の家に行き、ご飯を作って一緒に食べたり、ときには晃一と一緒に朝のジョギングに連れ出したりと、浬がほんの少しでも前を向いて歩けるようサポートを続けた。
時間はかかってしまったものの、おかげで浬の精神状態も徐々に落ち着いてきた。あまり笑わないのは相変わらずだったけれど、無茶な働き方はしなくなり、私も晃一もホッと息がつけるようになったのだ。
あれから数年が経った今。浬への想いは消えることなく、私の胸に積み重なっている。
だけど、「好き」とは言えなかった。言えるはずがなかった。
私はみのりのことが大好きだったし、みのりを想う浬のことも、ずっと側で見てきた。私が浬へ「好き」だと伝えることは、どうしてもみのりに申し訳ない気持ちもあった。でも、私が想いを告げるのをためらっている一番の理由は、今の関係を壊したくない。それが一番大きかったから。
もし「好き」と告げて、断られたら？
これまでのように、もう浬と過ごすことが出来なくなったら？
それが一番怖かった。結局、私は「振られたらどうしよう」と、自分が傷つくのを恐れて逃げているだけ。
だけど、当然だけど、いつまでもこの日常のように「現状維持」を続けることは出来ない。そして、その”日常”が崩れてしまう日は、私が思っていたよりもずっと早くにやってきてしまったのだ。
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moeka(プロフ) - 更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しいです。待ってます。 (2021年1月1日 8時) (
レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
HIKARU(プロフ) - 天堂先生の漢字間違ってます (2020年4月28日 14時) (レス) id: eab8b332b2 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございました。初めての投稿で、きちんと規約を確認せずに作品を作ってしまったことを反省しております。ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。 (2020年4月23日 18時) (レス) id: d41278724c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪菜 | 作成日時：2020年4月17日 16時
