#2 ページ2
「今日は帰る?泊まる?」
「んー、…どっちがいい?」
「そんなの泊まってほしいに決まってるじゃん。」
「じゃあ泊まる、」
「そうだと思った。」
いつも日をまたぐと泊まっていってくれるから、安心して泊まりを誘える。
「先シャワー浴びる?」
「うんっ、あ、一緒に浴びる?」
「いいよ、。どうせ後処理するんだろ?」
「だって雄也がなかに出すから」
「っ言わなくていいから!!」
ちぇっ、と舌打ちしながらも頬を緩ませて、おれに両手を伸ばしてきた。
なかに出したら垂れてきちゃうから浴室までおれが運ぶ。
いつの間にか定着したルールとなっていた。
「よいしょ、」
「ありがと。…やっぱ一緒に、」
「入りませんっ!」
ははは、と笑う有岡くんを残してドアを閉める。
リビングに戻り、ソファーへ寝転がった。
「…まだ、言えないか、。」
自分の無力さにため息も出ない。
彼に恋したのなんてもう覚えてないほど前なのに、体を重ねる度に自分の思いが告げられなくなっていく。
「…好き。…」
遠くからシャワーの音と彼の鼻歌が聞こえてきた。
27人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:香音 | 作成日時:2018年10月20日 14時