君は最高のパートナー (ページ1)

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「ねえみたみた！？」

「見たよ！Reds Deerの新曲！」

「マジで素敵だった…あんな曲他の誰にも作れないよ、自分で作って自分で歌ってるって多才すぎ！」

女の子たちの間で話題になる『 Reds Deer 』

年齢、顔、その他の個人情報は不明。

わかっているのは、男声であるということだけ。

R＆B、ポップ、ロックからバラードまで作詞作曲の才に恵まれ、
初期はバーチャルシンガーに歌わせてネットにアップしていたが、
最近、セルフカバーを出し、甘優しくソフトな歌声であるとネット上で大ヒット。

まあ私は最初からReds Deerのファンだったけどね！

だなんて、偉くもないのに心の中で胸を張る

「同じ日にLilyの歌もでたよね～！」

ピクッ

「そうそう！外国のアーティストのカバー？だっけ？全然知らない曲だったけど、歌声が良すぎた(；；)」

「わかる…Lilyが歌う曲って、マイナーな曲が多いけど、Lilyの歌声をきっかけに色んな曲好きになってるもん私！」

やっだそんな嬉しいこと言われたらにやけちゃう…

「んふ～笑」

ミキ「いきなり笑い出すの怖いからやめな？」

「だって嬉しいんだもーん。私がそのLilyだよって言ったらどう反応するんだろうあの子たち」

ミキ「別に好きなようにすればいいけど、私は一切関与しないのでよろしくね？」

「えーひどいーじゃあ私がもしストーカー気質のファンに遭遇したらどうするの？」

ミキ「警察だけは呼んどいてあげる」

「くぅ～」

そう、実はLilyと言えば私のことなのだが、

中学生でReds Deerさんの曲にハマり、

高校に入ってから必死にバイトしてお小遣いを稼いで

機材を買ってネットに元々好きだった歌を投稿するようになった。

高3でReds Deerさんの処女曲、『Rain Drop』のカバーを上げてからヒットしたんだっけ。

失恋を歌った曲だった。

『あまりにも悲しすぎる曲と悲しすぎる歌声』

そうやって注目を浴びたなあ。

ちょうどそのときに彼もセルフカバーを上げ始めたんだった気がする。

現在大学1年生になったけど、

1年前別れた彼は元気にしているのだろうか、

あまりにも急な別れでまだ吹っ切れることができずにいるけど、

次の恋をするつもりもないし、
時の流れがいつか、いい思い出も辛い記憶も洗い流してくれる。
そう信じて、ただその日を気長に待つことにした。

きっと、

あなたもそうして欲しいんでしょ、_____