呪胎戴天 ページ30
虎杖side
少し歩くと広めの場所についた。
部屋の隅には誰かがいた。
生存者かもしれない。
保護しようと近づいた。
貴『ぁ…』
一緒に近づいた氷室が小さく息を呑んだ。
その人は下半身がどこかに消えていた。
グチャグチャに折れ曲がり、ボールみたいになっていた。
野「惨い…」
恵「3人…でいいんだよな。」
鼻にまとわりつく鉄の匂い。
丸まっている中でもかろうじて見える人の部分。
光を移さない目。
それはこの人たちが生きていないことを表していた。
上半身はかろうじて形のある人の名札には“岡崎正”と書いてあった。
悠「この遺体持って帰る。」
野「え」
悠「あの人の子供だ。」
“”正は…息子は大丈夫なんでしょうか”
あの女の人の顔が頭を過ぎった。
悠「顔はそんなにやられてない。」
野「でもっ」
悠「遺体もなしで「死にました」じゃ納得できねぇだろ。」
遺体を担ごうとすると伏黒に止められた。
恵「あと2人の生死を確認しなきゃならん。その遺体は置いてけ。」
悠「振り返れば来た道がなくなってる。後で戻る余裕はねぇだろ。」
恵「「後にしろ」じゃねぇ。「置いてけ」っつったんだ。ただでさえ助ける気のない人間を、死体になってまで救う気は俺にはない。」
何言ってんだよコイツ。
悠「どういう意味だ。」
恵「ここは少年院だぞ。呪術師には現場のあらゆる情報が事前に開示される─ソイツは無免許運転で下校中の女児をはねてる。2度目の無免許運転でだ。」
悠「！」
恵「オマエは大勢の人間を助け、正しい死に導くことに拘ってるな。だが自分から助けた人間が、将来人を殺したらどうする」
悠「じゃあなんでオレは助けたんだよ‼」
俺が人を殺さないなんて保証もない。
なのにあのとき伏黒は俺を助けた。
なんでなんだよ。
ふと、服の裾を引っ張られた。
貴『お、落ち着い…てっ今、それどころじゃ…』
氷室がオロオロと俺らを交互に見る。
野「Aの言うとおりよ！時と場所をわきま───」
悠「釘…��」
貴『なんで…』
釘��が地面に消えた。
いや、吸い込まれた？
恵「虎杖‼氷室‼」
伏黒の焦ったような声に意識が戻る。
恵「逃げるぞ‼釘��を探すのはそれから…だ」
その呪霊がそこまで来ていたのに、気づけなかった。
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ワン子(プロフ) - お嬢さん» ありがとうございます！地道にちまちまやっていきます (2021年1月29日 23時) (
レス) id: 15d120eb45 (このIDを非表示/違反報告)
お嬢(プロフ) - ワン子さん» よかったですー！早速ご対応いただきありがとうございますっ。むっっちゃ面白いので無理しない程度に更新頑張ってください！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: 40263be792 (このIDを非表示/違反報告)
ワン子(プロフ) - お嬢さん、本当ですね！気づきませんでした。ありがとうございます！ (2021年1月28日 22時) (レス) id: 15d120eb45 (このIDを非表示/違反報告)
お嬢(プロフ) - タイトルの「目が冷めたら」ですが「目が覚めたら」ですかね？勘違いでしたらすみません＞＜ (2021年1月28日 21時) (レス) id: 40263be792 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ワン子 | 作成日時：2021年1月14日 8時
