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忠誠:13 ページ13

なんてことは置いておき、モードレッドは一言、自分の手柄の話だけを告げる
神楽坂の瞳が揺れた。目の前で自慢げにけれど気の緩みのない笑みを浮かべる己のサーヴァントに、神楽坂は歩み寄る

そして神楽坂は、鎧を纏っていなかったモードレッドに正面から抱きついた


へ「おお〜熱烈」

モ「!………お前、」


抱きしめられてすぐ、接触により円滑になる魔力の供給を受けたモードレッドは、顔の横に目線だけを向ける


「…流石、私のセイバー」


耳の近くで呟くように称賛の言葉を紡ぐのを聞いて、モードレッドは自分より大きいが比較的華奢な背中をポンポンと叩く


モ「おう。オレはお前の剣だからな」

「はあ…かっこいい…」

モ「だろ!惚れていーぜ、マスター」


噛み締めるような声を笑い飛ばし、モードレッドは更に機嫌を良くする。怪我も治ったし、魔力も戻ってきたから調子も上がるというもの


「ねえ、モードレッド…皆も」


質の変わった主人の声に、4騎は口をつぐんで彼女に目を向ける。するりと腕を解いて離れた神楽坂が、静かにモードレッドを見下ろした


「私は…あのクー・フーリンを、倒したい」

ヘ(逃げ帰る時にも言ってたが…本気だったか)

「倒したいの…私達の手で」

モ「へえ?そいつはつまり…」

「ええ。王への叛逆よ」


神楽坂が後ろの3騎を振り返る。風が吹いた…そして、顔だけをモードレッドに戻す


「でも…ごめんねモードレッド。先頭に立つのは__」


自分ではないのだと言われて、モードレッドは眉を寄せる…だが怒りを向けることはなかった
この主人が何をさせたいのかが、なんとなく分かっていたから


「この先の戦いがどうなるのかはまだ分からないけど…」

風「主殿。どうやら敵が攻めて来る様子…」

「…ええ、行きましょう」


ふと小太郎が会話を遮るが、神楽坂はすぐに切り替えて頷いた。ここは西部の最前線、保持しなくてはならない


「立香たちが来る前にある程度蹴散らすわよ!」

モ「よしきた!」

織「皆殺しじゃあ!」

「ヘクトール、貴方は待機してて……ヘクトール?」

ヘ「いや、おじさんこれでもまだ現役だからね。心配御無用……まだまだいけますよ」


槍を取って立ち上がるヘクトールをじっと見つめ、神楽坂は正面を向いて歩み出す


「そう…じゃあ、行くわよ」

ヘ「了解」

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作者名:アクエリアス | 作成日時:2023年11月14日 12時

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