深淵:5 ページ9
朝から様子がおかしい主人に不安を感じ声をかけるが…本人は引きつった笑みとも言えないソレを浮かべるばかり
夕方になってリビングへ戻ると、静かに座っている主人…寝ているのかと下から覗き込めば、焦点の合わない目をして
俺の事は視界に入っていない
ロ「マスター?…マスター!」
少し大きな声で呼べば、ハッとしたように俺と目が合う
下から覗き込む俺に驚いている様子だった。何か声をかけないと…このままこの場から離れてはいけないと、直感が告げる
ロ「オタク、本当に如何したんです?
話せない事を話せとは言いませんけどねぇ…でももし俺に聞かれて構わない事なら話して下さい」
しっかりと俺を見る主人の唇が震えながら、小さく言葉を紡ぐ
「…………で」
ロ「……マス、ター…?」
「…っ…なんでよ…」
どこか虚ろに俺を見つめる瞳が潤む……思わず目を見開いた
「……私に…優しく、しない…で」
今度は途切れ途切れにハッキリと告げる…大粒の涙が溢れ出し、ポタポタと落ちる
ロ「マスター…」
主人の涙を拭おうと手を伸ばす…が
「…や…っ」
主人は俺の手を拒んだ…そして自分の行動にハッとした様に目を軽く見開いた
動揺を露わにし、俺の手を払った手を胸元で握る
「…ごめん…少し独りにして……放っておいて」
部屋に戻ろうと主人が立ち上がる
……部屋へ向かおうとした主人の腕を、咄嗟に掴んだ
「…な…っ」
掴んだ腕を軽く引けば、驚いて俺を振り返る
ロ「…何か、あったんですか?」
突然変わった主人の態度に、湧き上がる色んな言葉や感情を抑えつつ、なるべくゆっくりと問う…主人の表情が歪んで、一層瞳が潤む
「……眩しくて…痛い…」
ロ「痛い……?」
「君と私は、あまりに違い過ぎるから…」
ロ「…何の話ですか」
「君は英雄で、私は…私のやってる事は"悪"じゃない……人を殺して、罪を犯して…ッ」
ロ「俺だって生きてた頃には数えきれねー程殺しましたよ」
「私と君の"殺した"は違うでしょ…?
私は憎いから、殺してやりたいから殺してる…人殺しの罪人で…」
…話が疎らで、まとまっていない。英霊の俺と復讐者である自分は違うから…らしい事を言っているのは分かる
ロ「…それに手を貸してる俺も同罪だろ」
「っ______何でよ…違うの!君に罪なんて無い!これは私の戦いでっ、君は私に利用されてるだけで…これは君の罪じゃないのに…‼
やめてよっ……君が…君がそんなに!」
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アクエリアス(プロフ) - 愛織姫さん» ありがとうございます!!ロビン推しの読者様からお涙頂戴……できれば読者様を泣かしてみたいなぁと思い書いていたので、とても嬉しいです()別ルートの彼らも見守っていただければ幸いです! (2019年9月22日 1時) (レス) id: aac96d2a4f (このIDを非表示/違反報告)
愛織姫(プロフ) - 1つのルート完成おめでとうございます…!見てて泣きました。ロビン推しにはたまりません…… (2019年9月20日 9時) (レス) id: 539be50dcb (このIDを非表示/違反報告)
アクエリアス(プロフ) - 黒瀬さん» ありがとうございます!そう言っていただけてホッとしてますε-(´∀`; )番外編の方もお読み頂いているようで、嬉しい限りです!私なんかの小説でロビンの良さを感じて頂けたなんて…ロビン最推し作者としてこれ以上ないお言葉です!続編も頑張ります! (2019年9月18日 23時) (レス) id: aac96d2a4f (このIDを非表示/違反報告)
アクエリアス(プロフ) - 霧雨さん» 霧雨様、コメントありがとうございます!また最後までお読みいただきありがとうございました!!このコンビを好きだと思って頂けてとても嬉しいです(*´ー`*)続編の方も頑張りたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします! (2019年9月18日 23時) (レス) id: aac96d2a4f (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!すごく素敵な作品で、更新が毎回楽しみでした。番外編の方との暖かい雰囲気と、本編の雰囲気が両方とも大好きです!この作品でロビンの良さに再び気づけました。続編もお供します!! (2019年9月18日 23時) (レス) id: 8cdd57f528 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アクエリアス | 作成日時:2018年11月12日 22時