沈黙:3 ページ32
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その問いかけに、泣き顔と相まって歪んだ笑顔が浮かぶ
ロ「俺もっ…楽しかったです」
「……………そっか…」
神楽坂の視界が涙でぼやける……嗚呼、もう少し…もう少しだけ
「…ね、ろびん…」
ロ「…はい…っ」
「私は…君のマスターでいられた…?私は…っ…………人間で、いられたのかな…」
それは、交わしたもう一つの約束…
ロビンフッドは必死に笑顔を作る
ロ「あぁ……勿論です…マスター」
その言葉に、彼女は一層穏やかに笑った
「……やっぱり…君で良かった」
再びロビンフッドの顔が歪む……死なないでくれ…懇願する代わりに、頰に添えられた手を握る
「……ろびんの手…あった、かいね」
情けない程に溢れる涙を止めたかった…この人が眠る為に、今俺にできる事は笑ってやる事くらいなのに
もう冷たくなってきた指先が如何しようもなく哀しくて…熱を与えようにも、温もりの無い俺にそれは叶わなくて
「…………最後にお願い…きいてくれ…る…?」
その言葉に瞬いて滴が零れ、主人の瞳と見つめ合う。こんな時でも綺麗だと感じてしまうその瞳に見つめられ、俺は掠れた声を出す
ロ「……何ですか…」
今は唯、この人が安らかに眠る為に……
「……なま、え…呼んで…?」
か細い願いに、思わず失笑する……涙が滲んで仕方なかった
しっかりと聞こえる様に、優しく…強くその身を抱き寄せた
ロ「……っ…………おやすみなさい、A…」
光の消えた青の瞳から、また一粒……涙が伝う
「……あり…が、と…………ロビ……ン…____」
眠る様に、主人は瞳を閉じ…体の力を抜いた
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アクエリアス(プロフ) - 愛織姫さん» ありがとうございます!!ロビン推しの読者様からお涙頂戴……できれば読者様を泣かしてみたいなぁと思い書いていたので、とても嬉しいです()別ルートの彼らも見守っていただければ幸いです! (2019年9月22日 1時) (レス) id: aac96d2a4f (このIDを非表示/違反報告)
愛織姫(プロフ) - 1つのルート完成おめでとうございます…!見てて泣きました。ロビン推しにはたまりません…… (2019年9月20日 9時) (レス) id: 539be50dcb (このIDを非表示/違反報告)
アクエリアス(プロフ) - 黒瀬さん» ありがとうございます!そう言っていただけてホッとしてますε-(´∀`; )番外編の方もお読み頂いているようで、嬉しい限りです!私なんかの小説でロビンの良さを感じて頂けたなんて…ロビン最推し作者としてこれ以上ないお言葉です!続編も頑張ります! (2019年9月18日 23時) (レス) id: aac96d2a4f (このIDを非表示/違反報告)
アクエリアス(プロフ) - 霧雨さん» 霧雨様、コメントありがとうございます!また最後までお読みいただきありがとうございました!!このコンビを好きだと思って頂けてとても嬉しいです(*´ー`*)続編の方も頑張りたいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします! (2019年9月18日 23時) (レス) id: aac96d2a4f (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!すごく素敵な作品で、更新が毎回楽しみでした。番外編の方との暖かい雰囲気と、本編の雰囲気が両方とも大好きです!この作品でロビンの良さに再び気づけました。続編もお供します!! (2019年9月18日 23時) (レス) id: 8cdd57f528 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アクエリアス | 作成日時:2018年11月12日 22時