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a 「じゃあ視野なんだけど欠損率が85-90ぐらいで、どちらかというと視力の方が見えにくさの原因になってる感じかな.......」
m「正直視野の方はもうよく分かんなくて....それこそ前に言われた95%っていうのが1つの区切りかも、」
a 「そうだね、このまま進行しちゃうと大学卒業するぐらいまでに95%以上になる可能性が高いのは前回の診察の時に伝えたと思うけど....」
m「ん、分かってる」
視界の端で目黒の手に力が入るのが見えて
そっとその手に自分の手を重ねた
1年前、目黒が俺にしてくれたみたいに
「.......95%以上視野がないってさ、」
m「失明、に近いんだよね？」
a 「95%以上になると視野を測るのが難しくなって、見えてても結果に反映されにくくなるの。だから失明って表現されちゃうのかもね」
“ 失明 ”
できれば、これから先も聞きたくない言葉
でも目を逸らしてはいけない言葉
m「視力も落ちるからそもそも光が見えてないケースも多いから、だから翔太くんには “ これぐらい見えてる ” って手で見える範囲を伝えるようにしてる」
「ん、数字で言われても分かんないから今みたいな伝え方の方がいいかなって」
きっかけは目黒に “ どれぐらい見えてる？ ” と聞いたことだった。トイレットペーパーの芯やらなんやら表現方法はたくさんあるけど、結局目黒が見える範囲を手で示してくれるのが一番分かりやすかった
a 「2人の中で共有できる方法を見つけられたのは凄くいいことだと思うよ」
a 「あとはこれからどうするかなんだけど.......」
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作者名：まる | 作成日時：2023年1月29日 11時
