TouchⅢ- 2【mmnb】 (ページ35)

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初めての白杖

見えにくくなってから
一人で知らない道を歩くのも初めてだった

n 「どうだったの？」

「正面は視野が残ってるからなんとなくで分かるんだけど足元ってやっぱり怖くて.......」

「それが、この白杖で探ることができたから歩きやすさは全然違うかも」

n 「初めてなのにめっちゃ使いこなしてたじゃん」

「そうかな？笑分かんないけどなんとなくの感覚は掴めたかも」

と言ってはみたものの

“ はじめて持ったにしては ” ってだけで、実際はもっと練習しないといけないし、見えなくなるにつれて白杖を使う影響も大きくなる

※「実際の歩行訓練では普段使う通勤路の他にも、点字ブロックが無い道や人の多い駅なんかも練習コースに入ってるので一筋縄ではなかなかいかないですよ〜笑」

「ははっ、脅さないでください笑」

※「でも、目黒さんなら早く使いこなせそうですね！じゃあ次はもう1つの白杖使って戻りましょうか」

そう言われて使っていた白杖をスタッフさんに手渡し
もう1つの白杖を受け取って来た道を歩き始める

さっきのに比べると少し長くて、持ち手は太くてなんだかしっかりしてる感じ

来た道を頭の中で思い出しながら、点字ブロックに沿って軽い坂道を進むとあっという間に施設に戻ってきた

n 「すげぇな、曲がるとこも完璧だったし」

「曲がり角とかは見えてるからね、自分の中のなんとなくも大事にしながら歩けたらいいなって」

※「これからに向けての練習も必要ですが、今使える視覚からの情報も大切にするのは良いことですからね」

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