歌い手系カフェ店員と声優さん

11杯 ページ12

駅の改札に向かう


いつもより、大人っぽい格好にした

浅沼さん大人だから、
隣にいる私が幼かったら恥ずかしいよね

白のブラウスに赤いスカート
黒の太めのベルトを締め、黒いジャケットを着てる


只今07:15


いや早すぎた！？！？！待たせちゃいけないと思って余裕持って出たんだけど流石に早すぎ？

そろそろ改札が見えてきそう

『え？』

いる
浅沼さんが

遅れた！？！？！？！

急いで駆け寄る

私に気づいたのか慌ててこっちに来る浅沼さん

「わぁ！！走んないでいいから！」

と言いこちらに小走りで来てくれた

いや、あなたも走らないで！！

『すみません、待たせてしまったみたいで』

焦ったように両手を左右に大きく振り

「違う違う！俺があえて遅めに伝えたの！
俺が誘ったのに電車の遅延とかで遅れたら嫌だったからさ！」

『気遣いの神ですか？』

「え？」

『なんでもないです！』

「Aちゃん早いね、待ち合わせ十分以上前だよ？」

楽しみで早く出てきたなんて言うのはなんだか
恥ずかしくて

『え、あ、あー！10分前行動！
10分前行動は基本です！』

「え、えらい、、ちょっと早すぎな気もするけど」

あははは〜、なんて言って誤魔化す

別の話をしなければ

『そういえば！
どこにご飯食べに行くんですか？』

「俺がよく行く個室のごはん屋さん」

『そうなんですね！楽しみです〜
洋食？和食？中華？？』

「和食！」

『大好きです！！！！』

「よかった！！！」

喋りながら浅沼さんについていく
あたしの歩幅に合わせて歩いてくれてるみたいだし
自然と道路側を歩いてくれている

どこまでもイケメン
惚れる

一生懸命話してくれてる浅沼さんの横顔を
ボケーッと見つめる

するとずっと前を見て歩いていた浅沼さんと
目があった

え？目があった？

「俺の顔になんかついてる？」

ニコッとして聞いてた

『あっ、、、
いや、なんか、ほんと、、何事もスマートにこなしてるし、余裕があって素敵だなって思って、、、』

恥ずかしくなってきた、、、、

『そんなに見つめないでくださいー！！！！』

「いや、見つめてきたのはAちゃんだよ！！！」

ツッコミありがとうございます

それからは恥ずかしくて
浅沼さんの話に相槌をうちながら
ただひたすら横を歩いてた

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