日番日誌[阿部亮平] ページ15
阿「まだ？」
『うーん、もうちょっと』
彼を引き止める為にそう言うけど、全然あと10分くらいかかりそうで
彼にバレないようにそっと腕で日誌を多いながら、日誌の書くべき必要事項を埋めていく
阿「なに書いてるの？」
『内緒』
阿「俺にも？」
『その聞き方はずるいよ』
そう告げると、クスッと笑った彼が、私がノートを覆っていた腕を持ち上げた
まだまだ空白がある日誌を見て「だと思った」と呟いて、ニッコリ笑って私の腕を離した
『嘘ついてごめんね』
阿「ううん
待ってて欲しいんだって思って、なんだか可愛かった」
そう言った彼は、嬉しそうにはにかむ
私は、その顔が好き
心から幸せそうな、ホワホワしているその笑顔
ガタッと机にぶつかりながら、彼はどこかに歩き出す
どうしたのだろうと思ってボーッと見つめていると、
『あ、待って！』
阿「ん？どうしたの？」
『大丈夫だよ！
私が日番だから、私が黒板消ししなきゃ、！』
阿「もー、変なところで真面目なんだから」
楽しそうに、私の制止の声も聞かず消していく彼に、何を言っても無駄だと気づき、また日誌に向き合う
"今日の一言"という所に、なんて書こうかと考えを巡らせながら、彼がこっちに歩いてきているのに聞き耳をたてた
少し大きい足音は、彼だけの特別な音
私の、大好きな音
私は、彼を成す全てが大好きなのだ
阿「ねぇ、なんでさっき勝手に黒板消したかわかる？」
『んー、、、
優しい亮平が私の声も聞かずに自我を貫いたのは初めてだからなぁ』
阿「ハハッ！
Aの想いにも乗っ取ってるよ」
『ますます分かんないや』
そう言って手を止めると、早く書けと急かさんばかりに、トントンと机を叩かれた
それにハッとしたように書き始めると、上からクスクスとまた彼が笑っている声が聞こえる
それに反応しようか迷うけど、また机叩かれそうだな、なんて
彼がやりそうな行動パターンを考えるのが、最近のお気に入り
阿「正解はね」
『うん』
阿「Aと同じ気持ちだからだよ
俺も、早くAと帰りたい」
そう言った彼は、大きな手で私の頭を撫でた
それはまるで、彼自身が彼の顔を隠しているようにも見えて、なんだか胸が暖かくなった
『一緒で嬉しい
すぐに終わらせるね』
阿「うん」
ザーッと降っていた雨がパッと晴れる
私の気持ちのようで、なんだか目が離せなかった
『ごめん待たせちゃった』
阿「いや、待ってないよ」
『優男かよ』
阿「優男だよ？」
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ルな(プロフ) - 一番最初のシリーズから読ませていただいてます。もう感激です✨なんでこんな神小説見つけるのおそくなっちゃったんだろ .... 佐久間さんのペースでいいので、どうか戻ってきていただきたいなと思います😢ずっと待ってます ‼ そして応援してます !! (2022年8月18日 10時) (
レス) @page27 id: 0c9a247f04 (このIDを非表示/違反報告)
あき - 恋日誌から、読ませて頂いてます！色んなジャンルがあり、毎日読んでも面白いです‼更新待ってます！ (2022年4月7日 17時) (レス) id: 45421e6c59 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間さん(プロフ) - コーヒー豆さん» そう言って貰えてすっごく嬉しいです！ありがとうございます！神だなんて言って貰えて幸幸です♡ありがとうございます！ (2022年3月5日 20時) (レス) id: 23029b9da8 (このIDを非表示/違反報告)
コーヒー豆 - ほんとに佐久間さんの作ったお話好きすぎて何回も繰り返して見てます!! 佐久間さんは``神``でやんす！ (2022年2月21日 19時) (レス) id: a7da1e1812 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間さん(プロフ) - しおさん» え！？そんな事言って貰っちゃってたんですか！！嬉しすぎてヤバいです泣そう言って頂ける方がいるから頑張れます！ありがとうございます🥰 (2022年1月15日 10時) (レス) id: 23029b9da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐久間さん | 作成日時：2021年10月26日 20時
