【刀剣乱舞】主が主と呼ばせてくれないのだが。参

121話　なんでなんだよぉ……。 ページ32

さっきの中年が出て行って、果たして何分経ったかわからないくらい、私はホコリ一つない床を見つめていた。


契約書が消えた今、私はただの学生である。審神者でも、勿論公務員でも何でもない。


＿＿今の私が、物理的にあの本丸に入ることはできるのだろうか？

疑問が胸の中を貪り、締め付ける。


『……ッ。』

声にならない叫びが、脳内で響く。


＿＿どうして？

どうしてこんなことになった？

私が何かした？


どれだけ痛めつけられても、めげずに一心に生きてきた。

私が本丸で倒れてたのは、散々だった毎日に誰かがご褒美をくれたんだって。


＿＿そう、思ってたのに。


『＿＿なんで、なんでなんだよぉ……。』

目頭が熱くなるのを感じた。鼻がツンとしてきて、たまらずしゃがみこんでしまう。


今まで、こんな感情を持って涙があふれたことは一度もなかった。

ただただ、目元を拭うことで精一杯だった。

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