104話 よぉ、主。 ページ15
『__ふぅ……。』
息を整えようと試みたが、どうやらそんな暇はないらしく、次々と遡行軍は押し寄せる。
さっきから敵は増えるばかりで、一向に減らない。
堀川君も、大分疲労が溜まってるのではないだろうか、不動さんの足を、どうにかしないと。
考え事は増すばかりで、体も疲れてきて、どんどん動きが鈍くなるのが、自分でも分かった。
「__ッ!」
不動さんが私の後ろに迫る遡行軍を、座ったまま跳ね返した。
……危なかった。
気付けば私たちは、遡行軍に挟み撃ちされていた。
じりじりと遡行軍は攻めてくる。私は不動さんをかばうような形で構えなおす。
私の体はもう限界に近かった。いたるところの出血もそうだが、どちらかと言えば、精神的に、限界だった。
もう丘を下って逃げやしないんじゃないだろうか。果たして、このまま私は死ぬのだろうか。
『……うッ、ぁ。』
絶望的な未来を考えているうちに、太刀に肩をぐっさりいかれた。
__あぁ痛い。視界が紅く染まる。儚い華が散っていくような感覚だった。
後ろに倒れた。もうどこが痛いのやら、分からない。
カラン、と音を立てて握りしめていた短刀が落ちた。
あぁ、せめて、不動さんだけでも守らなくちゃ。
また短刀に触れた、その時だった。
『__ッ。』
一瞬、光がさしたのか、短刀が強く光を反射して、目をつむる。
「__よぉ、主!待たせたな。」
そこに現れたシルエットに、目を向いた。
青色のマントを羽織っているのは__、
『__太鼓、鐘__定宗……?』
「おうよ。ちょっと待ってな、すぐにやっつけるから。」
そう言って、遡行軍を倒していく。
『__ぁ。』
しばらくの時間がたったんだと思う。
木と木の間から溢れてきていた光は、もう朝だと告げていた。
だけど、そんな情景に浸っている時間はないのか、さっきより、自分の肩から匂う、
錆びた鉄の様な匂いがきつくなっていることに気づいた。
「__主、主!!」
叫ぶような不動さんの声を最後に、私は意識を失った。
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セブーレ(プロフ) - 及川パドルさん» ヒッ、ヒエーーー。怖すぎる・・・ (2019年3月13日 23時) (レス) id: 3aca8b7000 (このIDを非表示/違反報告)
及川パドル(プロフ) - セブーレさん» 次やったらマジでピーすぞ☆彡 (2019年3月13日 23時) (レス) id: b4e1cbb006 (このIDを非表示/違反報告)
セブーレ(プロフ) - 及川パドルさん» 更新頑張ってね!この前は本当にごめんなさい。( ノ_ _)ノ (2019年3月12日 7時) (レス) id: f60e44f631 (このIDを非表示/違反報告)
及川パドル(プロフ) - woo!順位更新!ありがとうございます! テスト終わったんでバリバリ書いていきます!!……多分。 (2019年3月1日 20時) (レス) id: b4e1cbb006 (このIDを非表示/違反報告)
及川パドル(プロフ) - お久しぶりです。及川パドルです。 ご報告です。 マジで参では終わらなさそうです(微笑)。 これあれですね、終わる終わる詐欺ってやつですね。すみません。 もう少しだけお付き合いしてくれればうれしいです。 (2019年2月16日 12時) (レス) id: c922ba8d0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:及川パドル | 作成日時:2018年10月6日 14時