君の誕生日を。 ２ ページ12
梓杏side
私は祝ってもらえない寂しさになんだかまぎわらしたくて、海岸を歩いてた。
ジャージの長ズボンじゃなくて、ユニフォームの短パン。
海のとても浅いとこを歩く。
冷たい海水が気持ちいい。
でも…まぎれない。
何でよ…
教えたじゃない、誕生日…
何で、忘れちゃうのよ…
『ｸﾞｽｯ……うぁ…』
ぴちょん、と目から溢れ出す涙が海に少しずつ入っていく。
海水にまぎれ、どこかに流れてゆく。
『バカァ………』
完全に鼻声。
耐えきれなくなった器から漏れ出す涙は止まらない。
もうやだよ……。
・
・
・
？「梓杏！！！」
『！？』
私の涙をぴたりと止めてくれたのは大好きなあの人の声。
？「探したよ、ほんと！」
『ヒロト…』
雪みたいに白い肌には走って暑くなったのか赤い頬に汗。
ヒロト「本当にごめんね………梓杏の大切な日忘れて…」
私はバシャバシャと水の音を立て、近づく。
ヒロト「必ず祝うって、約束したのにね………俺、サイテーな男、だよね…」
バシャバシャ…。
ヒロト「でも………」
『………気付いてくれただけで嬉しい』
ヒロト「え…？」
『今年も…"ひとりぼっち"なのかなって、』
突然、ヒロトは靴を脱ぎ捨て、長ズボンのままバシャバシャと海に入る。
膝までぬれてしまっている。
そして気付いたら、ほしかった温もりがあった。
ヒロト「本当にごめんね……祝ってくれる相手、待ってたの分かってる……。もう、"ひとりぼっち"にしないよ」
『………ｯ』
私はおそるおそるとヒロトの服をつかむ。
そしてまた、瞳からは涙。
悲しみじゃない、喜びだろう。
ヒロト「梓杏の"誕生日"は僕が祝って、かげがえなのない思い出にしてみせる」
『ヒロト………ｯ』
ヒロトは少し離れるとはい、と小さな花束を渡してきた。
小さな青い花がたくさんついて、とても綺麗。
ヒロト「…………【大切な思い出】」
『え？』
ヒロト「花言葉さ、このアンチューサの。……言っただろう？かげがえなのない思い出にしてみせるって。それを含めたもの。」
『アンチューサ…大切な思い出……………そうね、忘れられない、大切で…かげがえなのない思い出だわ………』
もう、ひとりぼっちじゃないよ。
ありがとう─────。
Fin
彩羽ちゃんからでした！
アンチューサ、花言葉は大切な思い出。
誕生日おめでとうございます！彩羽ちゃんにとって良き一年になること、願ってます。
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ノッキー(プロフ) - フィディオ…くだんないことで彼女とケンカすんなよ (2015年4月30日 22時) (
レス) id: 54844b2ac1 (このIDを非表示/違反報告)
天登優雛 - ケンカの理由が…くだらん… (2015年4月1日 12時) (レス) id: fe9855b97f (このIDを非表示/違反報告)
月影姫(プロフ) - コメント遅くなってごめんね、面白かったよ！ありがとう！ (2015年1月18日 9時) (レス) id: 4ad4f39047 (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 何をやっているしフィディオ。ケンカの理由がくだらんよ。(￣○￣) (2015年1月18日 1時) (レス) id: 1c8e796d69 (このIDを非表示/違反報告)
まーる(プロフ) - 由佳七助さん» プリン落ち((( お茶目さんですフィディオさん！！！ (2014年10月26日 21時) (レス) id: 7286babe75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まーる | 作者ホームページ：http://marl102917
作成日時：2014年6月20日 1時
