君と繋いだ手の先へ part6【イナイレ】 (ページ41)

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「…無いよ。貴女みたいに彼を養ってあげられるような財力は無い。高級車で送り迎えしてあげる事も、彼が欲しいと思った物を何でも買ってあげられるお金も」
「十分お分かりになられているようですね。それなら…どちらが彼を幸せに出来るかも、お分かりですよね？」

こちらに振り返ったメアリーの顔は、どこか勝ち誇ったような笑みが浮かんでいた。

「……分かってる。そんなの…」
「ふふ…話が早くて助かりますわ。では、今日からは私がマークさんの……」

「私にしかマークを幸せにしか出来ないなんて事、分かりきってるから」

彼女が氷の冷たさなら、私は炎のような熱さで言葉を返す。
誰にも負けないマークへの想いを込めて。

予想外だったのか、メアリーは目を見開いて初めて表情を崩した。

「確かにお金があれば幸せになれるかもしれない。でも、それだけじゃ本当に幸せになる事は出来ないよ。私が彼を想う事で、彼も私を想ってくれる事で初めて幸せを感じられるんだ」
「なっ…」

「話は終わりで良いかな？じゃあ、次の授業があるからこれで」

呆気に取られているメアリーに軽く手を振ってから、私は先に教室を後にする。