君と繋いだ手の先へ part6【イナイレ】 (ページ36)

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メアリーがサッカー部のマネージャーになってから1週間が経った。
彼女は初日と変わらずで、マークへのタオルとドリンク配り以外の仕事は一切やっていない。
だけど、それを咎める人は誰も居なかった。
みんな言ったところで無駄だというのが分かっているから、もう無視しているといったところだろう。

そんなとんでもない彼女について段々と分かってきた事がある。

初日に高級車で送ってもらった時から分かっていたけれど、かなり大きな財閥のお嬢様らしい。
あんな結構な態度を取っているのも頷ける。
でも…だからといって、マークがあんなにもアプローチをかけられるのは正直こたえてしまう。
私とマークが一緒に居ようがお構い無し。
というか、私の事なんて眼中に無いといったところか……

あんなに楽しかった学校が今では少し憂鬱になってしまう。
部活の時間だけならまだいいかもしれないけれど…

「あ、マークさん！」

最近は放課になると、わざわざうちのクラスにまで来てマークを呼び出す始末だ。
いつも私を含めてマークとディラン君とリアナの4人で過ごしている為、彼女が来たら私達は複雑そうな顔で見合わせる。

「悪い…ちょっと行ってくる」

やっぱり優しいマークの事だから無視するのは出来なくて、いつも私に申し訳なさそうにしながらメアリーの元へ歩いていく。
アプローチしているのは間違いないけれど、完全にアウトという行為をしてきてはいないから、私も彼女に強く言える訳ではでない。
だから教室の入り口での2人のやりとりを黙って見ている事しか出来ないのが現状。