君と繋いだ手の先へ part6【イナイレ】 (ページ33)

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「…そう、でしたか。でしたら、貴女もご一緒にいかがですか？お2人のお話、是非ゆっくりと聞きたいです」

勝手に話を進められ、その時初めて彼女の傍らに黒塗りの高級車が止まっているのに気が付いた。

こんなのドラマでしか見た事ない…
まさか現実で見る機会が訪れるとは。

驚いているといつの間にか車に誘導され、私達は断る間も無く車内へと入れられてしまう。

というか…何で私がついで扱いなんだ……

「実は私、最近転校してきたばかりなんです。憧れのマークさんの居る学校へどうしても行きたくて…やっと突き止めて同じサッカー部になれたので、本当に嬉しいんです」
「そ、そうなのか……」

グイグイとマークとの距離を詰めて話すメアリーに、さらなる黒い感情が渦を巻いていく。
でも…ここは車の中だ。
降りるまではどうしようもない状況に余計に焦りが募っていく。

それからはメアリーのマシンガントークが続いた。
内容はマークに関する事ばかり。
彼女がマークを知ったきっかけは、たまたま見ていたサッカー雑誌で最近うちの学校のサッカー部が取り上げられていた事かららしい。
それで彼に会いたいが為に転校をしてきたのだ、と……

はっきりと言われた訳ではないけれど、それはもう完全に一目惚れというやつだろう。

私達は彼女の一方的な話をただ聞く事しか出来なかった。