君と繋いだ手の先へ part6【イナイレ】 (ページ21)

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※マーク視点

フィディオに連れて来られたのは、ホテルからそう離れていない街並みを見下ろせる高台だった。

「急にごめんな」
「いや、気にしてない。それで…どうしたんだ？」

早速本題へ移ろうと問い掛ける。
フィディオは目を細めると柵にもたれ掛かった。
そして街並みを見つめながら口を開いた。

「俺、さ…やっぱりAが好きなんだなって改めて感じたんだ」

静かに告げられたAへの想い。
だが、不思議と不快感は全くなかった。
以前の俺ならこんな冷静に聞いてやれなかっただろうな。

「色んな観光地を見て回ってころころ変わるAの表情を見てたら、FFIの時を思い出した。あの頃から何も変わってないなって思ったよ」
「ああ、そうだな。Aは出会った時と変わらない。いつだって俺の…俺達の好きなあいつでいてくれる」

俺がそう言えばフィディオは少し目を見開いてこちらを見た。

正直、今でもAを好きな男には良い感情を抱かない。
だが、真剣に彼女を想っているのが分かっている相手なら…素直にそれを受け止めようと思う。
A自身を譲る気は微塵も無いが、彼女に抱く想いまでは否定出来ないからな。