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ああ…こんな時、マークが居てくれたら……
…でも、自業自得か。
自分で勝手に抜け出してここに来たんだから……
そう思うと抵抗しようと動かしていた腕も、次第に力が入らなくなっていく。
マーク以外の人に触られるなんて、嫌で嫌で仕方ないはずなのに。
「そうだ、最初から大人しくしとけばいいんだよ」
次第に遠くなっていく。
聞こえてくる喧騒も、目の前の男の声も。
私…このまま、こんな奴に……
目から零れた涙が、また頬を伝って落ちた時。
ドスッと鈍い音が響くと同時に、目の前の男が軽く吹っ飛ばされた。
解放された私はそのまま地面に力なく膝をつく。
彼を吹き飛ばしたのは…一つのサッカーボール。
そして私の体を包み込む、あの温もり。
「！マークっ！！」
守るように肩を抱き寄せてくれたのは、心から願った私の大好きな人。
あれだけ目の前が暗くなっていた私を一瞬で光で照らしてくれた。
マークは私を安心させるように優しく微笑み掛けてくれて…
「ってぇ…何しやがる！」
「それはこっちの台詞だ。俺の恋人に手を出すなんて、いい度胸してるな」
私の体をそっと離すと、彼はもう一度ボールを男へと思い切り蹴った。
今まで見た事のない表情。
私を守ろうとしてくれる、強い意志が宿っている。
「これ以上Aに手を出すなら…容赦はしない」
「！マーク、もういいよ…！私は大丈夫だからっ…」
彼の腕に抱き付いて、またボールを蹴ろうとするのを止めた。
その間に男達は逃げるように去っていく。
怒りに満ちた表情で彼らの背中を見ていたけれど、すぐに心配そうな表情に変わってこちらに振り返る。
「A、大丈夫か？怪我は…」
「うん…大丈夫。怪我はしてないよ…」
「…これ、着てろ」
彼は自分の着ていたコートをふわりと掛けてくれた。
メイド服が切り裂かれていたのを見たからだろう。
彼の匂いを感じた途端、身体が震えるのをやめた。
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結川(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月19日 1時) (
レス) id: d45f7778dc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！高評価しました！ (2021年9月18日 16時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年9月18日 16時
