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「もう信じらんないっ！！」
公演後、役員の控え室になっている教室で机に突っ伏する。
ああ…もう、穴があったら入りたい…
「そんなに怒らないでくれよ。つい体が動いて…」
「ついって何よ、ついって…！というか、何でマークが王子になってたの！？」
最大の疑問を投げ掛ければ、この場に居た春奈ちゃんが説明してくれた。
「えっとですね、私がマークさんにお願いしたんです！ラストシーンだけ王子様役を代わってくれないかって。あ、もちろん風丸さんには先に許可はいただいてましたよ」
「正直驚いたが、良い機会だと思ってな。それで最後だけやらせてもらったんだ」
あっさりと話す二人に何だか拍子抜けしてしまう。
私の知らない間にまた色々と事態が動いていたなんて。
だから春奈ちゃんは公演前にマークを借りていったり、風丸君もあんな意味深な事を言ってたのね…
「でも、最後のキスはマークさん独自でされたんですよ？」
「や、やっぱり…」
さすがに春奈ちゃんも最後にキスをしろ！なんて言わないだろうから、大方予想はついていた。
だからといって本当にキスするなんて、誰が思っただろうか。
「…あ、私はこれからクラスの方で仕事がありますので！衣装は今日中に返していただければ大丈夫ですから〜！」
それだけ言うと、春奈ちゃんはそそくさと出て行った。
彼女が居なくなった事でこの教室には私とマークの二人だけ。
遠くからは文化祭で賑わう人々の声が聞こえてくる。
「…A、確かにお前の気持ちを考えずにしてしまった事は謝るよ。申し訳なかった」
椅子に座った私の前に跪くようにして彼が謝った。
「もう…いいよ。正直、まだ恥ずかしくて死にそうだけど……嫌という訳では、なかったから…」
言葉の最後辺りでは声がだいぶ小さくなっていったけれど、マークにはしっかりと耳に届いていたみたい。
彼はクスリと笑うと、跪いたままの状態で私の手を取った。
そのまま口元に手を持っていき、小さくチュ…と音を立ててキスをして。
本物の王子様が、目の前に居るみたい。
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結川(プロフ) - 星猫さん» ありがとうございます！ (2021年9月19日 1時) (
レス) id: d45f7778dc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 続編おめでとうございます！高評価しました！ (2021年9月18日 16時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：結川 | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/users/17663132
作成日時：2021年9月18日 16時
